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海に浮かぶ家

地球表面の海洋と陸地の面積の割合は、おおよそ7:3で、その3割の陸地の部分に、世界の大多数の人びとが暮らしています。

しかし、世界には広い海の上に家を持つヒトもいます。

彼らは海に浮かぶ船の上で生まれ、海を遊び場として育ち、親の漁を手伝いながら大人になります。

このような暮らしを受け継ぎ、一生のほとんどを海に漂って生活する、そんなヒトたちがいるのです。

フィリピン南部のスールー諸島は、900を超える島々が、鎖のように連なっています。

この赤道に近い海域は、比較的おだやかで、真珠母貝やナマコなど、豊富な海産物に恵まれています。

ここに、船を家にするヒト、通称"サマ・ディラウト(海のサマ)"が暮らしています。

サマ人は、この資源豊かな海で家船仲間と協力して漁をし、とれた海産物を"陸上の市場"で売って生活をしています。

食事は漁で手に入れた魚のスープやキャッサバと呼ばれる芋を蒸したものなどがあり、主食のキャッサバや米など、食物や生活用品は街の市場で手に入れます。

魚の仲買人との間で海産物と生活必需品を直接交換するなど、さまざまな面で陸地の住人とのつながりを持ち、島にも時折上陸し、貴重な水分となる若いココヤシの実や木などを手に入れます。

では、日常生活を送ることができる船とはどのようなものなのか。

何世帯もの家族が同時に暮らせるものから、一世帯が暮らせるほどのものまで、大きさは様々です。

5つの家族が住めるほどの大型船などは1940年代まで使用されていた古い型で、側面に綺麗な彫刻の飾りがほどこされた家船などもあります。

近年では、エンジンを装備した新しい型の家船が主流になっていて、この種の船も大型の家船から、ひとつの世帯が暮らせる程度の大きさまで様々です。

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