いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
マダンとマル
朝鮮の伝統的な建築様式を使用した家屋の、韓国版を韓屋(ハノク)といいます。
ハノクは木造で、屋根には瓦が使われています。
入口を入ると、マダンと呼ばれる中庭があり、このマダンから各部屋に入ります。
このため、家を訪れる人は、かならずこのマダンを通ることになります。
マダンに面して、マル(抹楼)と呼ばれる高床の板の間が設けられています。
マルは日本家屋の縁側のような開放的な半屋外空間で、衣類のアイロンがけなど家事を行ったり、両側の部屋をつなぐ役割も果たしています。
夏には、マダンとマルには日中、暖かな陽射しと、心地よい風が通り抜けることから、家の中でとても快適な場所になっています。
従来、開け放たれた空間であったマルですが、現在は、ガラス戸をつけて使用されていることが多いようです。
この形態も、ちょうど建具に挟まれた日本の"入側縁"に似た空間になっています。
地形も空間の一部
都市型のハノクが多く残る首都ソウルの"北村"の地形は、北が高く南は低くなっています。
そのため冬も暖かく、排水にもすぐれています。
また南側に開けていることから見晴らしが良く、ハノクの主な部屋には、常に陽が当たり、居住に適した土地として知られています。
現在残っているハノクは約860棟ほどで、1930年代に改築されたものが多く、それ以前に建てられた大型ハノクにくらべると、規模は小さくなっています。
街区カタチ
ハノクの建ち並ぶ様子は路地のかたちによって異なり、
- 迷路のような路地の区画は"枝型街区"
- 格子状の路地の区画は"格子型街区"
と、2種類に分けられています。
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