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屋上庭園を支える緑
いまから約20年前の2000年。
東京都は、都市のヒートアイランド現象、ビル空調の省エネルギー効果への有効な手段として、屋上なとの緑化推進を掲げます。
これに伴い条例の改正を行い、2001年には、新築・増築問わず、全国に先駆けて敷地面積1000㎡以上の民間建物の屋上緑化の義務化を施行しました。
施行を発端に各自治体でも屋上緑化の条例化等を行い、建物に対する容積率緩和など、制度改革の動きが広がります。
このような動きにより、屋根や壁面の緑化は一気に広がり、街中で緑で覆われた建物を見ることも珍しく無くなっています。
都市緑化機構によると建築物緑化の効果は、気温・湿度調整、C02固定、空気浄化などの環境改善はもちろんで、騒音低減、防風、防火、美観、生産など多岐にわたることが指摘されています。
このため効果を継続するためには、建築物緑化を良好な状態での維持が重要となります。
植栽は、新建材とは異なリ、生物ですので、管理はとても難しく、特別な知識や経験が不可欠です。
路上の植栽とは異なり、屋上を緑化することは、植物の生育に必要な土壌厚さ、屋根スラブ荷重条件、排水・防水方法、風害などに対する構造・設備の十分な準備や乾燥しやすい環境を考慮した樹種選定など、気を付ける点は多様です。
オムロンヘルスケア本社ビルの場合
例えば、健康医療機器を開発する先進的な京都の企業であるオムロンヘルスケア本社ビル。
独創的な企業文化を育むとともに、京都の自然をランドスケープのテーマに掲げ、古都の歴史、伝統、風土と先端技術を発信する企業という側面を融合するデザインに取リ込んでいます。
本社屋上に設置された庭園は、ワーカーの安らきの場であると共に、企業理念の表現としての役割も果たしています。
散水方法
芝生の屋上庭園を美しく維持していくためには散水方法などに繊細な配慮が必要です。
ここでは、屋上庭園で多く使用されている砂漠地域農業用に開発された技術である点滴ホース式ではなく、スプリンクラー式を選定しています。
点滴ホース式では、水の出る孔に近い所は湿潤、遠い所は乾燥気味となります。
芝生は他の植物とは異なり、成長ムラが表出しやすい植物で、ミスト状の散水はその対策なのです。
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