いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
緑化により見えてくるもの
都市生活で身近に豊かな緑を実現しようとすれば、緑化の特殊技術が必要です。
そして、特殊技術による都市緑化の効果としてまず考えられるのは、ヒートアイランド対策や日射遮蔽、断熱効果などのC02削減です。
さらに近年では、眼に映る緑率による知的生産性向上や個人によって異なる本質的な価値など生活の質の向上も注目されています。
激しい都市間競争に対し、クリーンアンドグリーンと呼ばれ、美しい街並に魅かれて多くの観光客が訪れるシンガポール。
これは、徹底した緑政策を図ることで実現しているのですが、シンガポールだけではなく、今では屋上庭園・壁面緑化は、世界の不動産価値向上の切り札となりつつあります。
日本でも同様、近年の都心大型開発では低層部屋上や壁面に十分な緑を設けることが、当たり前となリました。
しかしその真価は、建物の竣工時に評価されるのではなく、これからの長い年月を経て初めて問われるため、その持続可能性がとても大事になってきます。
超高層足元の風対策、ビルに挟まれた日陰での適性樹種、高所緑化の維持管理など解決すべき課題は尽きません。
植物学者でアーティストである、バトリック・ブランによる垂直庭園。
文字通り、建物の壁面を庭園に見立てての緑化ですが、持続可能な都市緑化には、多角的視野を取り入れた地道で不断の努力が不可欠です。
ミッドタウン
2018年にオープンした東京ミッドタウン日比谷。
この施設の屋上庭園・壁面緑化は、隣接する日比谷公園の植生を建物内へ引き込むことをコンセプトとしています。
建築物緑化の先進都市であるシンガポールなどでは、台風被害を受けることがほほありません。
一方で、毎年のように台風被害を受ける日本では、樹木の根幹を建築躯体へ固定するなど、隠れた部分での苦労があります。
日本で屋上緑化が本格化して20年を超え、カーボンニュートラルと耳にする機会も増える中、緑化すれば良いという時代は過き、屋上の緑を美しく持続できる技術がランドスケープ設計には求められているのです。
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