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イランの気候と特徴

北がカスピ海に面するイラン。

西アジアである国土の東半分には砂漠地帯が広がり、ヒトがほとんど住んでいません。

西半分は、山脈が連なる山の多い地域で、人口のほとんどが、こちらに集中しています。

国土の全体の"年間の降水量"が、かなり少ない砂漠気候で、ロシア語で"平らな乾燥した土地"を意味する"ステップ"から由来したとされる"ステップ気候"に属しています。

このような気候のイラン中央部に位置する都市"ヤズド"は、中国と地中海を結ぶシルクロードの交易で、古くから栄えてきた都市です。

周囲は砂漠に囲まれ、非常に乾燥しています。

夏の気温は、日中40℃近くまでになる一方で、冬は-20℃を記録するなど、夏と冬の気温の差が大きいのが特徴です。

雨は、冬から春にかけて降りますが、年間の降水量は、わずか20~100mmほどです。

ちなみに降水量とは、1m×1m=1㎡に溜まった雨の量のことで、年間20㎜の降水量の場合、底面積1㎡の箱内に、20リットルの雨の量ということです。

これだけ乾燥しているので、生活に必要な水を確保するため、南西にあるザグロス山脈から"カナート"という地下水路をつくって水をひいています。

この"カナート"。

古代メソポタミア文明をはじめ、古代文明を発展させた理由のひとつにあげられるほどの設備で、山脈の扇状地などにおける地下水を水源とし、蒸発を防ぐために地下に水路を設けたものです。

その構造は、山の裾野に掘られた最初の井戸で水を掘り当て、その地点から横穴を伸ばし、長いものは数10kmにも達します。

水路の途上には、ちょうどマンホールのように地表から工事用の穴が掘られ、完成後は修理・通風に用いられます。

水路が地表に出る場所には、耕地や集落のあるオアシスが形成されていて、耕地では小麦、大麦に加え、乾燥に強いナツメヤシ、近年では綿花やサトウキビなどの商品作物の栽培が行われています。

ヤズドの街は、このカナートに沿って建物がつくられ、発展した都市なのです。

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