近代建築の保護
いつもありがとうございます。
【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
好評につき、
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第二次世界大戦前後(1940年前後)に建てられたものを
近代建築 と呼びます。
そうすると前回までの
イタリア・イブレアの"遺産候補"の近代建築群が、
20世紀初頭(1900年初頭)に、
各地で起きていた"デザイン運動"に、
大きく影響されていることは間違いなさそうですね。
さて昨今、
世界の"保護活動"に学び、
日本でも、
"近代建築物の保存活用"が行われ始めています。
例えば 2006年。
第二次世界大戦後 の建築物として、
初めて"重要文化財"に指定された、
・ 広島平和記念資料館(丹下健三 設計)と
・ 広島平和記念堂(村野藤吾 設計)
があります。
1945年8月以降。
公的機関だけでなく、市民の手でも被爆資料の収集が行われ、
その資料は、
1949年から"公民館"に設置されていました。
しかし、
原爆の"惨禍を世界に発信する必要性"の声が高まり、
施設として建設されることとなったのです。
その後、
広島平和記念資料館では、
1973年に"最初の大改修"が始まります。
改修内容は、
・ 赤外線を遮断する窓ガラスへの交換
・ 劣化したコンクリートの補修
・ 空調設備、収納庫の新設
さらに、1991年。
展示内容の見直しと改装のために、第2回目の大改修。
そして、
1994年。
"東館と西館とを空中回廊で連結"する改築を行い、
この改築後の 2006年に
"重要文化財"に指定されることになります。
この時系列は、イブレアの場合と同じく、
建築物の"カタチの保護"は、
保護活動の対象に"なっていない"
コトを教えてくれています。
また最近では、
"近代産業遺産の保護・活用"が、
"地域自治体"の"重要な責務"となっています。
例えば、
京都会館(前川國男 設計)の再生整備に関わる問題。
京都府所有のこの施設。
老朽化に伴い、2012年3月で閉鎖して改修を行なったのですが、
その際、
まず資金の捻出のため、地元の企業にに"命名権"を売却し、
約50億円で契約します。
これに対し"国際記念物遺跡会議"は、
・再整備計画は"取り返しのつかない害"を及ぼす
として、
危機遺産警告を発令する可能性を示唆するにまでに至りました。
。。つづく