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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
オートリブの失敗に学ぶ
パリの失敗に、各国でカーシェアリングを行っている企業はたくさん学びます。
- 価格設定は適正だったか。
- 顧客の声がサービスに反映できていのたか。
他にも、車両にPR用の広告を設置したり、顧客の走行データを活用したビジネスのように、シェアリング以外の収益構造はあったのかなどなど。。
仏紙は、パリ市側は採算の目算が甘かった。委託企業側は公共サービスの認識が甘かったと。運転手付き観光車両など、他の新サービスとの競争に対応できなかったことが失敗の原因だと報じました。
しかし、この失敗直後に、プジョーとルノーがパリでサービス参入を発表します。
オートリブでは、市内に専用の駐車スペースを設置する"ステーション固定型"と呼ばれるものでしたが、これに対し、新たなサービスは"フリーフローティング型"と呼ばれ、対象エリア内でならどこでも乗り捨てることができるものです。
特にルノーは、パリ市との提携により、オートリブの正式な後継サービスを担当し、ステーション固定型サービスも行い、そして失敗に学び電気自動車を用いた配車サービスも行うということでした。
プジョーは、マドリードなどで展開済みのサービスをパリでも開始すると発表しますが、オートリブと大きく異なるのは、スマホなどによる会員登録は不要ということです。
さらにパリ市議会では、カーシェアリング・カードという新制度の導入も決定します。
これは、1台当たり年間3万円ほどの定額料金で市内での駐車を許可するというもので、事業者がこの許可を取得すれば、サービス利用者がEVを乗り捨てする際に駐車料金を支払う必要がなくなります。
これらの新たなサービスは、パリ市内から郊外へのドライブや郊外の大型量販店への買い物といった、半日~1日がかりの利用に対するパリ市民のニーズにも対応でき、
フランスでは、この利用により乗用車1台当たりの走行距離が40%縮小し、利用者の46%が自家用車を手放すとの調査結果を発表し、カーシェアリング1台導入当たり7台の自家用車を減らし、6台分の駐車スペースを節約できると試算しています。
世界最大規模だったパリのカーシェアリングサービスの失敗は、今後どう推進していくべきか、分析と対応策が考えられ、官民共同サービスから民間へと移行する形で幕を閉じることとなりました。
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