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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です
ポートランド独自の文化
全米で最も住みたい街"ポートランド"。
それまで、一般的な車社会だったこの街に、1980年代に差し掛かる頃、"都市部"と"農村部"の利用を区分する"境界線"が導入され、エコロジカルな街として生まれ変わる転機が訪れました。
ちょうど同じ時期。街の中央を流れるウィラメット川沿いの高速道路"拡張計画"を政府が発表します。
しかし、すでにエコに目覚めていた街のヒトたちにより、地域の環境破壊につながるとして、反対運動が起こり。。これをきっかけに、拡張工事どころか、既存の高速道路も撤去されることになります。
土木や建築の分野での、反対運動は、日本各地でも良く起こりますが、大事なのはその後です。
ポートランドの場合、まず、跡地に公園が設けられました。
そして、拡張工事の予算は、路面電車やバスなどの公共交通機関の整備に転用されました。当時の街には、
- 制度にしばられない
- 環境に気を配る
- 生活の質を大切にする
"ヒッピー"たちが多く移り住んでおり、自動車優先社会だったアメリカで、他の街とは違う独自の文化ができたのには、このような背景が、あったからなのでした。
何をするにも覚悟は必要と思いますが、日本某一等地での児童施設建設反対運動などが、チープに見えてきます。
脱車社会を決めた街の朝は、高速道路を取り壊してできた公園でヨガやジョギングを楽しむ人たちの横を、通勤・通学するサイクリストが、数多く通り過ぎていきます。
道路には、広い"自転車専用"レーンがあり、バスや電車などの公共交通機関への自転車の"持ち込み"も許可されています。
しかし、ポートランドが注目を集めている理由は、まだまだ、他にもありそうです。
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