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遊牧に適したモンゴルの環境

中国とロシアの間に位置するモンゴル国。

その人口は、約300万人と日本の40分の1ほどに対し、国土は約160万K㎡と広大で、日本の約4倍にもなります。

国土のほとんどは高原の台地で、その大部分が草原です。

草原以外の10%ほどは、森林とゴビ砂漠で占めています。

雨はほとんど降らず空気は乾燥し、季節や昼夜の気温差が大きい大陸性気候に属しています。

夏は40℃近くまで気温が上がり、冬は-30℃以下になることもあります。

雨は夏に集中して降りますが、年間降水量はゴビ砂漠で100mm以下、その周辺の草原地帯でも250mm程度です。

日本の年間降水量が約1700㎜程であることからも、かなり少ないことが分かります。

国土の多くを占める高原地帯では、樹木が育ち難いのですが、動物の食用になる短い草が生えることから、牧畜・遊牧中心の生活文化が発達しました。

現在でも、大草原の広がる高原で、羊、馬、牛、ラクダ、ヤギなどの家畜の放牧や遊牧が行われていて、季節によって最も適した場所を探し、移動しながら暮らしています。

遊牧民の住い

家畜とともに草原を移動して生活するためには、必然的に家も移動しなければなりません。

耳にしたことがある方も多いと思いますが、この移動式住居のことを"ゲル"と言います。

移動するときには家を解体し、いくつかの部材に分けて運びますが、床板を除く部材の総重量は300kgほどにもなります。

これらの部材を家畜にのせて移動しますが、最近ではトラックが使われることもあります。

ゲルの解体は、数名で作業して1時間ほどで終わり、移動先では、2時間ほどで組み立てます。

ちなみに、現代のゲルの部材は工場で生産された製品がほとんどで、モンゴルでは一般に販売されているようです。

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