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場所づくりを3Dによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。

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スキエラ型住宅

中世のイタリア都市では、貴族や有力者は塔状住宅であるカーサ・トッレに住んでいたのに対し、一般市民は、スキエラ型と呼ばれる住宅に住んでいました。

この街で最も普及したスキエラ型住宅は、1階は店舗や工房が入り、2階以上は倉庫や住宅として使われ、間ロ4~6mの細長い長方形の平面で、隣家と壁を共有していました。

通りに面し、店舗併設の都市型住宅である京都の町屋のような表情をもつスキエラ型住宅ですが、組積造の増築は、奥ではなく上へ向かうことになります。

リネア型住宅

広い間口をもつ規模が大きい住宅は、街路に沿って部屋が、リネア(線)状に並ぶという意味から、リネア型住宅と呼ばれます。

リネア型住宅には、間口の狭い複数のスキエラ型が、横一列につながったものと、最初から複数の部屋をもつ、大きな住宅としてつくられたものとの2種類があります。

街の東側にあるサンタ・クローチェ地区の一角に、シナゴーグと呼ばれるユダヤ教の礼拝堂かあります。

この礼拝堂、都心部にあったユダヤ人街が、再開発によって取リ壊された代償として、19世紀後半に建設されたもので、イスラム風の緑色のドームは市内でも目をひきます。

この建物は12世紀に起源をもっスキエラ型住宅2件が合体した、リネア型住宅に分類されます。

チェントロ・ストーリコ

チェントロ・ストーリコと呼ばれる歴史的中心地区は、都市計画による規制が最も強い場所です。

凍結保存とも呼ばれるように、住宅を含む歴史的建築物については容積やカタチの変更が認められていません。

窓や扉などの開口部の形や面積、壁の色や材料についても細かな決まりがあり、内部空間には、オリシナルの空間構成を残すことが強く求められます。

このため、たとえ小さな住宅でも、規制によって守られているのです。

例えばこの地区内にある地上4階、地下1階の建物は店舗が入らない専用住宅の場合、木製の扉を開けるとエントランスホールがあリ、共用階段が上階へと続いています。

当初は建物全体が、個人住宅でしたが、いまは分譲マンションのように、複数の所有者による組合で、建物を管理しています。

玄関を入ると小さな中庭が正面にあり、その脇の廊下をまっすぐ進むと、裏庭に面したダイニング・キッチンがあります。

地中海性気候においては、夏の暑さをしのぐため、窓を開けて風を入れるのではなく、戸を閉め切って強烈な直射日光の日差しを防ぐのが基本のため、窓は玄関の中庭を除いて、裏庭に向いた北側のみにもかかわらず、年間を通して快適な室内環境が保たれています。

そして、冷房普及率は低いのですが、各室に温水の暖房が設置されていて分厚い壁体の蓄熱性能が室内温度は安定させています。

このように900年前に建てられた歴史的住宅は、現在の環境にもやさしい建築なのです。

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