いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

墨田区北斎通リ

スカイツリーのある墨田区。

区の南に位置し、東西をつなぐ"北斎通り"を中心とした地域の景観まちづくり活動とはどのようなものなのか。

ここは東京下町で、江戸時代の大火以降に街区が整備され、東西南北につくられた水路を基軸として、道路と街区が形成された地域です。

もともと、砂や泥で形成された"干潟"を埋め立てた場所で、豊かな自然の風景に乏しい、戦後の高度成長期にかけて、鉄鋼業や編み物生地をつくるメリヤス業など、多くの町工場が営まれてきました。

しかし、高度成長の時代が終わると、工場の移転と廃業が進み、その跡地は"駐車場"や"空地"として取り残されます。

平成に入り、その残された土地に、無秩序に集合住宅の建設が進んでいくことになります。

それに伴い新しい住民が増加し、それまでの下町のコミュニティの空洞化も目立ち始めることとなります。

まちづくりの手がかリ

この街は、関東大震災と戦災により、歴史的な街並みや、建造物も無くなり、そのような暮らしの中から、生活風景を見つめ直すことを始めます。

昔存在した南割下水(水路)は、行政による歩道と街路樹の整備、電線の地中化が進み、北斎通りとして生まれ変わります。

しかし、この街では、個々の建替えの計画を緩やかに繋ぐことで、街の物語を創り出すという考え方を基盤としているため、ランドマークの建設や再開発に取り組むことを主たる"景観まちづくり活動"とはしていません。

さらに、地域の歴史や文化、芸術を掘りおこし、風景の背後にある暮らしの背景を探り、それをヒントに景観を考える活動も行っています。

葛飾北斎

墨田区亀沢は、葛飾北斎の生誕地。

2016年、北斎通りに面した屋敷跡地に"すみだ北斎美術館"が開館しました。

歴史を紐解くと、北斎と弘前ねぶた絵との繋がりも見えてきて、毎年開催される地域祭である"北斎祭り"には弘前から大きな"ねぶた"がやってきます。

さらに、地域住民と弘前市民との交流もスタートすることとなったのです。

景観から新しい形のコミュニティ

町工場の跡地に、新たな集合住宅の建設が進む中、地域住民と専門家による建替え協議会が立ち上がります。

開発会社と協議を重ねることで、地域の住環境を見つめ直し、視点は違っても同じ方向に進むことを目指す中で、地域の様々な課題に気付くこともできます。

景観を切り口に、防災や福祉、地域振興などへとつながり、さらに、多様な新住民が増加する中で、旧来の住民とどのようにコミュニティを形成するのか。

これは将来の都市人口の減少や流動への対応も見つめることでもあり、地域力を高める活動でもあるのです。

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