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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です

田舎社会の隙間

次々に、起業家が移転・移住する徳島県"神山町"。

そこには、NPO法人グリーンバレーの存在があり、過疎化が進む街を"ビジネスの街"にするプロジェクトの試みがあります。

その一つ目が、市民と行政との"協働事業"により地域の"清掃美化"と"経費削減"を目指す、"アダプト・プログラム"。

二つ目が、1999年から始動の国際的アート・プロジェクト。"神山アーティスト・イン・レジデンス"。

毎年8月末からの約2ヶ月間世界中から数名のアーティストが神山町に滞在し、そこで作品を制作し"展覧会"を開きます。

特色は、住民とアーティストの"交流"で、神山町での"滞在制作"に重点を置き、制作プロセスを共有できることです。

しかし、このようなプロジェクトが、突発的に始まった訳ではなく、そこには理由があります。

もともとこの地域には"人形浄瑠璃"の文化があり江戸後期から大正時代につくられた舞台の"背景画(屏風絵)"が、約1,500枚も残っています。

この屏風絵を"招かれた絵師たち"が地域に滞在し、住民が協力しながらつくったそうです。

つまり江戸時代にはすでに、"アーティスト・イン・レジデンス"が、この地で行われていたのです。

"過疎化"を食い止めるべく、ヒトを大事にすた"アダプト・プログラム"とともにこの地の"歴史・文化"を大事にした"神山アーティスト・イン・レジデンス"が、成功したのには納得がいきます。

さて、2004年に始動したNPO法人グリーンバレー。

地域の"過疎化"を"前向きに受入れ"、外部から"人材"を誘致することで、人口構造を変化させたり、様々な"働き方・職種"を展開させることでビジネスの場としての"価値"を高め、農林業だけに偏らない、バランスのとれた"持続可能な地域"をつくろうという。。

"創造的過疎"という考え方を軸に、多様なプロジェクトを進めています。

そしてその根幹には、風習が根付く"田舎社会"に"隙間"をつくったこと。があるようです。

地域の考え方を外部からの圧力で、無理やり変えようとするのではなく、進行側が、柔軟に考え方を変えることで、隙間のある"緩やかな田舎"が顔を現し、クリエイティブな都会のヒトたちを受け入れることができたようです。

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