いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
余熱の活用
千葉県の花見川区には、隣接する清掃工場で発生した余熱を温水プールや施設の冷暖房に活用する、レジャー施設があります。
余熱利用仕組みはシンプルで。まず、焼却で発生した熱でボイラー内の水を温め、蒸気を発生させます。
そして、
- 発生した蒸気で、タービンを回転させ発電
- 蒸気自体も熱交換器に送りプールや冷暖房の熱源として利用
と、大まかに二通りの方法での活用をしています。
エネルギーの送り方
蒸気を清掃工場からレジャー施設に送るのは、地中に埋められた大きな配管です。
この配管で、多くの熱エネルギーを蓄えられる"蒸気というカタチ"で、施設に送れば、熱源として利用効率が高くなるそうです。
しかし、余熱を利用するために"配管の距離が長い"と熱エネルギーの損失が、大きくなってしまいます。
このため、熱エネルギーの損失を少なくし、高効率で利用するためには施設と工場の距離が、あまり離れていないことが、望ましいようです。
親しみのある施設
ごみ処理施設から余熱を供給されることで、レジャー施設"こてはし温水プール"は、電気と都市ガスの消費や、CO2排出量を抑えることができています。
余熱の利用がまったくない場合、年間で約6,000万円に相当するエネルギーが使われます。
しかし、清掃工場の余熱を利用することで、電気とガスを合わせて年間で、約4,000万円の節約となるそうです。
地球温暖化を防止とともに、節約にもなっているということです。
このシステムと節約が、地域の健康促進に役立ち、将来的には、オリンピック選手を輩出するようなスポーツ振興のきっかけになることも視野に、良い循環がカタチとして見えてきます。
他にも、宮崎県の"ヘルストピア延岡"や、愛媛県の"アクアパレットまつやま"など、ごみ処理施設の余熱を利用するプール施設は全国に点在しています。
環境省でも、平成28年度に、「廃棄物焼却施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業」に対する補助金を設定しました。
余熱利用の用途は、今では一般的なレジャー施設や福祉施設などに留まらず、農業や漁業などその土地に合ったものへの拡大がもうすでに検討され始めているようです。
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