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干拓地

気候変動への対策が、世界各国で取り組まれて久しいです。

一方で、地球温暖化による海面上昇への備えとして、浮体式の都市や建築物への関心が高まっているのも事実です。

もともと海面下に低地が広がっていたオランダでは、堤防を築くことによって土地を造り出し、現在では国土の3分の2ほどが干拓地として、住宅地や農地などとして利用されてきました。

ところが近年、環境への配慮により干拓する予定だった場所に、浮体式の住居を浮かべて住む人たちが増えてきています。

浮体式住宅

いまから約10年ほど前の2016年時点で、オランダには約1万2千戸の浮体式住宅が存在していました。

その多くは、鋼製の船を住居に改修したスチールボートです。

しかし最近では法の整備も進み、水域利用権が設定され、初めから住むことを前提としたフロートハウス、いわゆる水に浮く家としての浮体式住宅が増加しています。

このようなことが実現できているのは、各自治体で浮体式住宅を留めておいても良い領域、いわゆる係留(けいりゅう)水域を設定し、利用者がこの水面を借るることで、居住のための船を設置することが可能となっているからなのです。

水上での暮らしの人気は高まり、いまでは浮体式住宅の量産工場も稼働しているほどです。

スホーンスヒップ

海面水位の上昇は、地球温暖化によって引き起こされる深刻な問題の1つです。

1900年頃からの30年間に、世界の平均海面水位が15~25cm上昇したとされ、今後100年間でも海面水位が上昇を続ける可能性が高いとされています。

さらに、それに伴う沿岸災害の拡大も予測され、対策は急務となっています。

そんな中、この深刻な問題に面白い方法で挑んでいるコミュニティが、水の都として知られるオランダ・アムステルダムにあります。

水に浮かぶ居住コミュニティであるスホーンスヒップ(Schoonschip)。

従来のハウスボートとは異なり、見た目はごく普通の住宅が運河に浮いている様子は、まるで絵本の中の世界のようで、現在ここに約50世帯・100名ほどが実際に暮らしています。

このコミュニティは、干拓を中止して浮体式の住宅地とした代表例で、行政が公共の道路と同じように、桟橋に電気や上下水道も含めたインフラを整備をしています。

パビリオン

また、ロッテルダム市には、上部が半透明の膜で覆われた浮体式のパビリオンがあります。

この場所はロッテルダム市の中心部にあるロッテ川沿いの古くからの港湾地区で、船舶の大型化に伴い、ロッテルタム港の主要施設が下流に移転したため使用されなくなった港湾の一部を浮体式建築の実験の場として活用しているのです。

このようにオランダでは干拓に代わる水面の有効活用として、浮体式建築の設置などに積極的に取り組み、すでに都市の一部として機能しています。

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