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小諸国のコロナ対応
何故、中国周辺の小諸国がコロナに対し模範的なのか。
それは、注意深く中国を観察していることに加えて、2003年に"サーズ"を経験しているからです。
香港に近い中国広東省で発生したサーズは、周辺の小諸国に広がります。
新型コロナは無症状や軽症のヒトも多いのですが、サーズは同心円的に感染し、死亡率も高く恐ろしいものでした。
当時、ベトナムの首都には、イタリア人専門家がWHOから派遣されていました。
彼は病院での対応とともに、ベトナム政府に"重大事"と警告するのですが、なかなか受け入れられませんでした。
そこで何とかベトナムの"保健大臣"に接触し数時間かけて説得し、やっと政府も本腰を入れるようになります。
いったん社会主義の政府が動き出すと、徹底した隔離政策を実施し、数カ月で収束させてしまうのでした。
欧米諸国のコロナ対応
もうひとつ、欧米諸国の対応があります。
そもそも中国が提唱した、中国と欧州をつなぐ広域経済圏構想"一帯一路"を通して、ヨーロッパ諸国に感染は広がりました。
当初、ヨーロッパ諸国では、あのような事態は、衛生状態や医療水準の低いアジアだから起こるのだといった風潮がありました。
このため対応が遅れ、気が付いた時には、感染症が爆発的に広がってしまったのです。
さらにこの時にも"北欧諸国"では、イタリアなどの"南ヨーロッパ"のラテン諸国は"のん気"だからといった見方も一部ではあったようです。
そして状況は悪化し、フランス、イギリス、ドイツと感染が拡大したのです。
偏見が恐ろしい結果を招くのでした。
対策機関の不足
日本には、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)のような8,000人以上の専門スタッフを擁する感染症の対策機関はありません。
国立感染症研究所がありますが、これは"基礎研究"を担う組織です。
さらに非常事態に対する国家としての"意思決定システム"がありません。
個人の自由は、ある程度制限しても全体の生存を守るという、国家の非常時に対応するシステムがないのです。
このため欧米から見ると、日本はコロナで大変な事態になるという見方が多かったのですが、いまのところ、そのようにはなっていません。
アメリカにはCDCがあっても肝心の2020年当時のトランフ大統領が、我が道を突っ走ります。
イキリスのジョンソン大統領は、感染症を軽視して経済優先の強気一辺倒で乗り切ろうとします。
日本は真逆で、専門機関や意思決定システムの脆弱さに加え、舵取りの自信さえ政府にはなかったため専門家の意見を聞きながらやってきました。
このため、パンデミックを封じることができているのです。
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