アメリカで主流のHOA(ホームオーナーズアソシエーション)。いわゆる、管理組合のことなのですが、日本のそれとは、かなり異なっています。
HOAの主要な目的は、"街の資産価値の維持"にあります。
例えば
- 街に入るにはゲートがあり、 住宅の外観の小さな傷(数センチ程度)にまで口を出してきます。 すぐに修理しないと罰金のケースもあるそうです。
- 空き家が、生じた場合、利用者を想定しながら、 用途を再計画し、転売や賃貸として再生してくれます。
- 空き地が、生じた場合、利用者を想定しながら、 共同駐車場、シェア農地などとして運営してくれます。
街の資産価値の維持にとって、上記の再計画の過程がとても重要で、
いまの日本の街づくりに大きく"欠落"しています。
つまり、日本では"空き地"や"空き家"などは、再計画のプロセスを飛び越え、リニューアルにより見栄えを良くして、転用・転売している。
街の資産価値の維持に"時間"も"お金"もかけていない。
ということです。これらを踏まえると、
- 地域に必要な集会場、趣味の場所。
- 電気自動車や自転車のカーシェアの拠点。
- 地産地消の発電施設。
- 賃貸農地のようなサービス提供。
など、資産価値の維持に色々な方法があることが見えてきます。さらに、そのための管理主体として
- 住民(実質的には、地権者組合)主導
- 民間不動産会社主導(田園都市"レッチワース"はこれに当たります。)
- 地域の既存組織の連帯(商工会など地域組織を良くするための組織)
などが、考えられます。
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