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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
近年の世界遺産の課題
世界遺産にはいま、
- どのような役割があるのか?
- どのような立ち位置にあるのか?
そのポイントは次の3つです。
- 数の増えすぎ
- 岐路に立つ
- 未来のあり方
1.数の増えすぎ。
世界遺産は1972年に採択された"世界遺産条約"にもとづき、
- "文化遺産"⇒ 文化財などの保護を対象
- "自然遺産"⇒ 手つかずの自然環境を対象
- "複合遺産"⇒ 上記の両方
の3つのカテゴリーで構成されています。
前回の冒頭で見たように現在の登録総数は1073件で、
そのうち日本のものは21件です。
日本のそれは、ほとんどが"文化遺産"で、
- 世界最古の木造建築で知られる奈良の法隆寺
- 広島の原爆ドーム
- 福岡の“神宿る島”沖ノ島
などなどです。
遺産登録されると、
観光客が集まり"大きな経済効果"が期待できるため、
新たに登録を目指す動きは、
後を絶ちません。
さらに。将来世界遺産を目指すものを掲載する
ユネスコの"暫定リスト"という一覧表があります。
つまり、
登録の順番待ちをしているリストということですが、
日本のものは9件です。
しかし実際には、この"暫定リスト"に載るために、
他にも30件近くの候補が、
日本各地で準備を進めています。
もちろんこうした現状は日本に限ったものではなく、
登録数が世界で最も多い53件あるイタリアでは、
さらに増やそうと、
暫定リストに40件。
すでに世界第2位の登録数がある中国では、
"国策"で世界遺産を増やそうとしていて、
暫定リストに59件。
世界第4位のフランスなども暫定リストに37件。
といったように、
世界各国が登録競争を続けているのです。
そこで鍵になるのが、
専門家の事前の評価です。
以前より厳密に調査し、厳しく評価している。
と言われていますが、
そこから、
近年の世界遺産の課題が浮かび上がってきそうです。
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