投資家と金融工学者
いつもありがとうございます。
【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
2008年のリーマンショック以降、
世界中の金融緩和によって"マネー"は、膨張し続けています。
つまり、
お金が、"余っている"ということです。
ところが、
生活を豊かにするために発明され、
しかも、
余っているはずの"お金"が、
届かなければいけない所に"届いていない"そうです。
いわゆる、二極化です。
"金融工学者"などの努力も手伝い、
いま投資家たちは、
資本を株などに投資する間接的な"マネーゲーム"から、
衰退した地域の"再生"にダイレクトに"投資"する、
社会的貢献投資(ソーシャル・インパクト・ボンド)
に、注目しています。
ソーシャル・インパクト・ボンドの"先駆的"な例として、
米・ボルティモアがあります。
ボルティモアは、
アメリカ最古の都市の一つで、
国歌や星条旗が、生まれた場所です。
もともと、
漁港とし賑わっていたのですが、
炭田の開発などによって工業も発達しました。
そして、
それらの豊富な資源を元に、
付随する"造船"や"鉄鋼"でも富を得ました。
しかし、1960年代頃から
"施設の老朽化"と
"産業の不況"により
中心地から"人口が流出"し、
"スラム化"が進行するコトとなります。
そこで市は、
再開発を30年にも渡り実施しています。
この出来事は、いまでは珍しくない
ウォーターフロント開発の先駆と言われています。
工業、貿易再建とともに。
大型施設、水族館 や 博物館 。。などなど
ヒトを呼び戻す努力をしています。
しかし、
肝心の"中心地のスラム化"は、依然として深刻でした。
そこで、
金融工学者が目をつけたのが、
50m 四方の"土地"に建つ、
倒産した、一流メーカーの"オフィス"と"工場"です。
この"たった一つの廃墟した場所"に、
20億ドルもの投資をした結果、
"地域拠点"として息吹を取戻し、
・ 本体はもとより、周辺の土地や建物の価値が上がり
・ 投資額の"7~8倍"の利益を生むようになり、
さらに、
・ 新しい文化まで、生まれるようになりました。
"社会の役に立つことをすると経済がまわる"。。。
っと、
いままでの"マネーゲーム"では、
"禁句"とも言えるような、
あたりまえの出来事が、現実となってきました。
金融工学者、ジョン・ソー氏が、
慎重に、
投資家たちの"資本"と、
スラム"街"とを
ダイレクトに"つなぐ"ことを実践している様子を考えると、
いま、
世間を賑わせている、
知事(政治家)の役割が、分からなくなります。。。つづく。