いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

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大地の芸術祭

「人間は自然に内包される」を理念に、2000年から始まった、新潟県の越後妻有アートトリエンナーレは、3年に一度というトリエンナーレ形式で開催される世界最大規模の国際芸術祭です。

近年では日本でも廃校利用が増えてきてますが、トリエンナーレでは、3.11の震災遺構をアートの展示場として教訓を学ぶ場と位置付けています。

用途を定義しないというのは、ありそうでなかったリノベーションです。

近代建築の保存を考えると、解体または対案となる活用方法という議論になりがちで、多くの場合、解体と結論づけされます。

一方、トリエンナーレでは、このような負の遺産的な解決方法ではなく、改めて廃墟になる自由もあることが示されています。

とりあえす、放置しておくという3つ目の道は、将来の可能性にかけることでもあります。

オルセー美術館

パリのオルセー駅は、1900年の万博にあわせて開業しましたが80年ほど活用した後、廃墟として残っていました。

その後、1989年からのミッテラン大統領によるパリの大改造計画、通称グラン・プロジェの時、オルセー美術館として息を吹き返したことで、今では世界で最も有名な観光施設のひとつになっています。

これが日本の場合、セーヌ川沿いの都市のど真ん中という理由で、すぐに壊して再開発されることが想像できます。

一方、台湾の基隆(キールン)では、廃墟になる自由を実現しています。

台南のリノベ

台湾の南西の海に面した街、台南。

そもそも台湾はリノベーションの面白い事例が多く、台南の近年の事例だと、オランダの建築家集団による台南河楽広場(2020年)と日本人建築家によるの南埕衖事(2022年)があります。

前者は商業施設の跡地を再開発したものですが、完全には解体しないで、現代の廃墟のように基礎の一部を残しながら、地下のレベルを浅い水辺に改造したものです。

後者は古いビルをカフェにリノベする際、その一角を階段の迷宮につくり変えたものです。

単純に上下移動できる動線を設けているのですが、これはお金を稼ぐための売り場や客席を行き来する目的の階段でもなく、あまり実用性がありません。

一方で、機能的ではないためなのかインスタ映えの場となり、多くの人で賑わっています。

廃墟とは機能を失った建築で、つまり廃墟の感覚をデザインに持ち込んでいるのです。

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