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ヴィラからの風景

ルネサンス期、最初の建築家であるブルネレスキ(-1446年)。

イタリアで古代様式を復活させ、フィレンツェのサンタマリアデルフィオーレ大聖堂(1377-1446年)などの革新的作品を残しています。

後に、ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂に携わったミケランジェロが、「ドゥオモ(デルフィオーレ大聖堂の愛称)より美しいものはつくれない」と言ったそうです。

ヴィラからのフィレンツェへの眺望に欠かせないのが、約450段もの階段を上がってたどり着くこのデルフィオーレ大聖堂の最上部にある比較的小さいドーム型の構造物であるクーボラです。

ヴィラからの眺望

大聖堂に入ると眺望のための場所が、数か所あります。

この内3つは、フィレンツェ方向に開かれた場所で、建物上部からみたときは、同一の位置になるのですが、実際には高さ(階数)の異なる場所になっています。

訪れた人は、この開かれた方向に対し直角に、建物内を移動するのですが、3つの場所差し掛かると、眺望を示す役割の泉・階段・噴水などのエレメントが配置されており、自然にフィレンツェの街とその背後の丘へと視線が誘われることとなります。

この時、デルフィオーレ大聖堂のクーボラが、位置関係を理解する上で重要な基準点として機能します。

アルベルティは、このクーボラを「フィレンツェを含むトスカーナ全域の人々を覆うエレメント」として位置づけ、トスカーナ全体のランドスケープに大きく呼応するものとしていました。

連続するヴィラと都市

当時のヴィラにあったエレメントは、パーゴラ、袖壁に開けられた開口部、絵画、水盤などの全てが、眺望へと集約されていました。

このことと、移動方向と眺望が直交していることにより、訪れた人は順番に演出された空間に遭遇することになります。

テラスの端部に至ると、フィレンツェへのパノラマが広がり、都市全体を視野の中に収めることができます。

つまりヴィラでは、ヒューマンスケールのエレメントをきっかけとして、突如、都市空間が流れ込んでくるということです。

もっと言うと、建物の腰壁やテラス状の敷地形状が、ヴィラと都市の間にある中間領域を視界から外すことで、切り取られた特殊な風景が生まれるということです。

このように、ヴィラ・メディチ・フィエゾレでは、ヴィラと都市空間の関係がシステム化され、その中でクーボラは、都市とヴィラの位置関係を把握する上で欠かせない要素になったのでした。

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