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直線経済から循環経済へ
徳島県の上勝町には、家庭や事業所から出る"ごみ"が、資源となって循環する仕組みがあります。
- ごみを13品目45種類に分別するルール
- 不用品を次に使う人へ繋げるサービス
- ごみの削減や地産地消を促すシステム
などなど、独自のアイデアが実行されています。
この町は、今から約20年前の2003年に、2020年までに、ごみゼロを目指す"ゼロ・ウェイスト宣言"を日本で初めて行いました。
そして現在、リサイクル率80%を超えを実現する"サーキュラーエコノミー"の国内先進地となったのです。
"サーキュラーエコノミー"とは、地域社会やビジネスに、資源が循環する経済的な仕組みのことです。
つまり、モノや資源の価値を最大限活かしたり、新たな価値を付加する仕組みが新しい仕事になる、持続可能な経済の概念です。
資源がモノに加工され、消費者が買い、最後は"ごみ"として廃棄されることで、成立する。
このような、消費者に対して一方通行の直線的な経済とは異なり、モノを循環させることで、資源を枯渇させないように"サーキュラーエコノミー"という考え方が誕生したのでした。
上勝町では"サーキュラーエコノミー"の考え方のもと、家庭からの"ごみ"を住民公設の"日比ヶ谷ごみステーション"に運び込み、45種類に分別する方法を確立します。
目的は、より細かく分別することで資源としての価値を高めることです。
ガラス瓶は色で分け、商品が入っていた"紙パッケージ"などは、形状や付属金属の有無などでも分類します。
また、分類ボックス用のプレートには、売れる資源は緑、処理にお金がかかるごみは赤で、売単価や処理費用も表記されています。
もともとは人口の少ない中山間地で"高機能な焼却施設”の整備が難しく、資源ごみも通常以上に交渉しなければ、リサイクル業者が取りに来てくれないという弱点を乗り越えるために、ひねり出した方法でした。
しかし、この方法は、本来リサイクル業者が行なう細かい分別を代行する事になるため、業者に取りに来てもらえるようになったのです。
結果、税金から支払う"ごみの処理費用"を減らすことにつながったのでした。
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