いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
お知らせをさせてください。リノベーションのチカラは、https://nagao-atelier.com/powreno/ で、ご案内をしております。
路地と坂の街の再生
2000年に入ったころから空洞化しつつあった尾道は、地域の地道な活動により、少しずつ回復することになります。
その中でふたつ、課題が浮上します。
ひとつの課題が、個人では動かすのが難しい大型の空き家や文化財級の空き家の活用です。
そしてもうひとつが、過疎化する街では必ず課題にあがる雇用問題です。
尾道では、このふたつの課題を解決するために、2012年から新たに大型空き家によるゲストハウスの展開が始まります。
まず、一人旅の人や外国人にも尾道の面白さを感じてもらえるように、路地が魅力の明治時代の長細い町家をゲストハウスとしての簡易宿泊所に再生します。
初めて商店街のど真ん中で行う旅館業だったのですが、結果、移住の窓口としての役割も果たす場所となり、宿泊業以上の大きな成果をあげることになります。
このことにより、語学が堪能な移住者や料理好きの主婦など、地方でもスキルを生かした雇用が生まれたのでした。
2016年には、登録文化財の別荘建築を、坂の街が楽しめるゲストハウス2号店としてオープンし、車の入らないエリアにある文化財級の建物の再生として、同じような空き家再生の良いお手本となりました。
2店舗とも運営に、移住者や地元大学の卒業生をたくさん起用し、少しずつですが、雇用を増やすことができています。
最初に着手した、多機能な尾道カウデイハウスも10 年かけて完成し、こちらも1棟貸しの宿としても使えるようになっています。
持続するむずかしさ
従来、大型の空き家や文化財級の空き家を扱う際には、資金調達やクリアすべき法律も多く、全国どこの街でも苦労しています。
しかし近年では、創業支援の融資や補助制度に加え、クラウドファンディングなどを活用することで、地域を超えて資金協力を募ることができるようになりました。
一方で、現在の尾道では、再生された各施設が、坂と路地の拠点的な存在になっていますが、コロナの影響も少なくなく、全国からの寄付により持続されている現実もあるのです。
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