いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
場所づくりを3Dによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。
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西神ニュータウン
神戸西神ニュータウンの街づくりは、数年をかけて地域との対話・現地調査などを通し、その都度、次の段階へと展開させています。
そもそも街づくりは、最初から到達目標が明らかになっていることは少なく、各段階で模索しながら方向を見定めていくことが多いです。
協力者の養成講座
街づくりの協議会では、2011年度から神戸市の各地で、街づくり推進者の養成講座を行いました。
講座は毎年行っていたため2018年度の第8回では、西神住宅団地の「かりば地区」を対象としたNPO「コミュニテイかりば」と共同での実施となります。
この場所は、歴史的地区でも都心の商業地区でもないため一般的なニュータウン住宅地としての景観問題を扱うこととなりました。
講座内容は講義だけでなく、街を歩いての調査やワークショッフなど、地域での実践を重視していました。
これは主に、参加者の課題発見や解決方法に直接反映するためですが、地区内では高齢化の進行と同時に、宅地の分割や建て替えなどの環境の変化が、閑静な住宅地の景観に変化をもたらしていたためでもあります。
この段階での課題
同時に、少子高齢化や人口の流出による地域力衰退に地元には危機感があり、新しい世代の定着を求めていました。
しかし、新しい世代の住環境への期待はこの場所での景観維持の考え方とは必ずしも一致しませんでした。
例えば新しい世代は、これまでのような塀で囲まれた、敷地が広く部屋数の多い一戸建て住宅を必ずしも望んでいません。
加えて高齢者にとっては、古い造りのアプローチ階段は、歩行の支障になり、広い庭の芝生や植木の手入れも負担になっていました。
その結果、建て替えによる新築の外構では、塀の無いデザインが多くなります。
さらに、庭の手入れの負担が減るように、土地を小さく分筆したり、2台分の駐車場を設置して緑地を減少させるなど、景観に変化を与えています。
従来の視点では、ゆとりがなくなり閑静な住環境に悪影響を与えていると考えられてきましたが、一方で、未来を考えると、緑豊かな一戸建て住宅を全面的に肯定することもできません。
そこで、この段階では、従来の緑豊かな住環境からの変化と、どのように向き合うのかという課題から始まることとなります。
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