これからの良識 ー リノベーション とは
建物を大規模に改修し、用途変更したり、機能を高めたりすることを リノベーション といいます。
これには、修理・復元・改善 という意味が含まれますが、同時に 再開発 といった意味も持ち合わせています。
つまり、既にあるモノやシステムを利用して、対象を創造的に破壊し、全く別の価値をもつモノやシステムに再編する。ということです。
このため本来は、都市開発のような広大なものから企業体制を見直す企業改革など、幅広い対象に使われる言葉です。
リノベの重要なプロセスとは?
🔴鉄筋コンクリート造🔴賃貸マンション🔴6階建🔴最上階🔴
の場合を分解してみます!
① 使命 - チームの目的
立地は、研究学園都市つくば。
高度成長期に夢見た憧れの団地生活が、日本中にもたらしたのが「●LDK」の間取り。戦後80年、様々なイノベーションが起こり続けている今でも、多くの住宅の間取りは不自由なまま。
チームの目的 ⇒ 間取りに合わせたくらしから、くらしそのものが空間に




チームは、どこかの組織と対峙するものではなく、掲げた目的を遂行するための存在。このため出資者がクライアントになる一般的な手法とは異なり、デザイナー、建築士、施工者、不動産管理会社、そして出資者もチームの一員なのです。
One Point!⇒ 手法は色々でも、エンドクライアントは居住者!
② 現況調査
現況調査で大事なのは、壊して良い所とダメな所を見定めること。つまり、建物を支えている構造やリノベでは改修しにくい配管位置なども確認。加えて、建物がつくられた20年前当時の工事手順を理解し、どうしてこのような空間になっているのか を把握する。






One Point!⇒ 解体する(あとで出てきます)と天井にある突起物の正体が判明!
③ コンセプト - 抽象的な方針決め
写真や調査内容をじっと見ながら この部屋の特徴 を見出し、その特徴を最大限活かすこと。同時に、欠点を補うことを考える。
今回は、風除室・水廻り・収納の それぞれ機能をもった3つのBOX を置くことで生まれる 空間の起伏(凹凸)を利用し、その機能BOX以外の余白空間を用途を限定しない自由な場所 とする。

One Point!⇒ ※最上階の特徴を活かし、奥の部屋まで光が届くように計画!
④ 完成まで重心を担う モデリング - 視覚化した方針決め
詳細設計や工事費用の算定、業者選定の前に行っておきたいプロセスがモデリング。最終的には施工者にも情報を的確に伝え、間違いのない工事にするためにとても重要になるのです。
しかし現状では、多くのひとが業者任せにしてしまうなどで、この大事なプロセスに気づかず、工事の費用や内容のことで生じる様々な問題に悩まされています。
モデリング を怠ると、途中で正しい選択ができなくなり、不満足な気持ちが大きくなってしまうのです。






One Point!⇒ 建築主・設計者・施工者・関係者全員で完成イメージを共有!
⑤ 解 体
現況調査で壊して良い所とダメな所を見定め、モデリング作業内で、残す部分と解体する部分をしっかり分けておくことで、迷うことなく解体ができます。






One Point!⇒ 20年前の施工当時、斜めの梁型をうまく活かせず、天井の突起物になっていた!
⑥ 組み立て開始
完成イメージ(着地地点)をすべての関係者間で共有できるため組み立て作業にも、モデリングがとても役に立つのです!






One Point!⇒ 現場でしか判断できないディテール決定にもモデリングが役に立ちます!
⑦ 完成 - 完成イメージの共有は工期短縮にもつながる
完成イメージ(着地地点)を共有することで、現場での様々な課題を迅速にクリアし無事着地です!






One Point!⇒ 現況調査時の写真と比較してね!
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