いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

場所づくりを3Dによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。

2025年2月分の受付は1日(土)からです↓↓↓
https://nagao-atelier.com

豪雨災害

中山道は、江戸日本橋と京都三条大橋を結ぶ江戸時代に整備された街道です。

岐阜県瑞浪(みずなみ)市大湫(おおくて)町を通っている中山道は、江戸時代に山の中に設けられたのですが、現在の瑞浪市で残すべき景観として位置づけられたことから、行政と地域でのまちづくりを持続して行っています。

大湫宿の立地

2020年7月、豪雨で中山道の大湫宿の象徴だった大湫神明神社の御神木の大杉が倒壊します。

幹囲10m・樹高30mで、樹齢1200年といわれた県指定文化財で、地域の喪失感はとても大きく、また景観を構成する重要な要素でもありました。

一方、大湫宿は最寄りのJR釜戸駅から北へ約4kmの自然に囲まれた静かな場所に位置しています。

この地域の7割近くが山林で、住宅・商業地域といった都市計画上の用途が決まっていない非線引きの区域となっています。

また明治時代に、現在の国道19号線やJR中央線が、中山道とは別に整備されたことから大湫宿は宿場としての役割を既に終えていて、地域のほとんどの建物が一般住宅となっています。

まちづくりの仕組み

この地域には、まちづくりを推進する大湫町推進協議会があります。

主組織である協議会を中心とした様々な活動組織があり、その中で宿場の景観保全活動は、1974年の高圧線鉄塔建設を機に、翌年から活動を開始されました。

その後1988年には、国内の優れた文化財や自然風景を保全する活動を行っている「日本ナショナルトラスト」により調査報告書がまとめられています。

この頃には外部機関と連携しながら、住民主体の街づくりとなっていたのですが、この様な継続した街づくりのチカラは、災害による大杉の倒木の時に発揮されます。

大湫町の一部だった大杉をどのように後世に伝えるか。

協議会と大杉の価値に賛同する地域の住民が中心となって、日常には不可欠な視点を押さえながら検討が進められました。

具体的には3つの視点があり、

  1. 住民の心のよりどころを見えるようにする「住民の内面的価値の可視化」。
  2. 大杉の記憶は住民の中には存在し続ける一方で、倒木したものはもとに戻すことはできないため「存在意義の再構成」。
  3. 閉鎖性から脱却し、外部移住者の意見も取り入れたまちづくり「外部とのつながりの活用」。

といったものでした。

≪ 1級建築士事務所 長尾景司アトリエ ≫ 長尾景司 ≪

確かな結末へ加速する

– 新築・リノベに挑戦するあなたへ –

場所づくりを3DCGによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。