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人と自然の距離のデザイン
環境・社会・経済の調和を目指すSDGsへの関心が高まるにつれ、自然と調和する空間デザインによって日常の質を高める「ランドスケープアーキテクチャ」という分野にも注目が集まっています。
いまから約30年前の1990年代。
ブラジル・リオでは「地球サミット」が開かれ、森林伐採に端を発した急激な都市開発の見直しや、化石燃料の枯渇、地球温暖化といった問題が、世界規模で議論され始めました。
その頃の日本は、生き物の姿がほとんど見えず、汚れが目立つ用水路が増えていた時代でもありました。
いま求められているもの
現代のランドスケープアーキテクチャでは、
- 都市空間に自然を取り戻すこと
- 自然災害の予防や被害軽減
- 生態系の保全への貢献
- 地域コミュニティの形成
といった、さまざまな役割が期待されています。
ただ、このような「機能」をデザインする以前に、人と自然をどのような関係として捉えるのかという、「自然観」そのものは、まだ十分にデザインされていないようにも感じます。
そして「自然観」の考え方や機能をどのような「デザイン」として空間に落とし込むのか、といった点も、設計者にとって重要なテーマです。
ランドスケープアーキテクチャの重要性について語られることが多い一方で、具体的な「デザイン」について語られる機会は、意外と少ないのではないかと思います。
自然の捉え方
実は、時代ごとに「自然の捉え方」は違ってきました。
建築の世界では、時代や地域によって求められる空間が変わり、それに応じてさまざまな様式や思想が生まれてきました。
実はランドスケープの分野でも同じように、時代や地域ごとに異なる「自然観」があり、それに応じて色々な空間のカタチが誕生してきました。
現代のランドスケープだけを見ていると、どうしても「環境問題を解決するための空間」という側面に目が向きがちです。
しかし、人と自然の関係は長い歴史の中で変化し続けてきました。
その流れを知ることで、現代のランドスケープを相対的に捉え直し、「これから、どんな距離感で自然と関っていくのか」そして「屋外空間はどんな形であるべきか」を、もう少し冷静に考えられるようになるのではないかと思います。
イタリアの広場、パリの庭園
では、時代や地域によって空間のカタチが違うとは、どういうことなのか。
例えば、ミラノやローマなどのイタリアの街では「公園」よりも「広場」の方が多い印象を受けます。
多くの「広場」は、街の象徴となる教会などの建物の前に設けられ、シンプルな石畳の中央に彫像などが立っています。
そこでは、通行人相手に商売をする人、階段や噴水の縁に腰かけて休む人、片隅でボールを蹴る子どもたちといった風景が、ごく自然に広がっています。
一方、パリではテュイルリー庭園のような、貴族の庭を起源とする庭園が多く残っています。
左右対称のフランス式で、四角く剪定された並木、そこには今もバロック様式の名残が感じられます。
チューリップなどの観賞用の花が咲き誇る花壇に囲まれながら、ベンチで本を読む人、友人と談笑する人、静かに日光浴をする人、それぞれが、穏やかな時間を過ごしています。
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