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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

世界遺産とは?

2001年に世界遺産登録されたウィーン歴史地区。

最近になって高層マンションを中心とした娯楽施設などの計画が浮上します。

施行されれば、景観が大きく変わることになるためユネスコは昨年、登録抹消も視野に入れた"危機遺産"に指定します。

しかし、ウィーン側は、登録を抹消されても、世界の中で最も美しい街のひとつであることに変わりはない。とした姿勢です。

そんな中実際に、ドイツ東部の都市"ドレスデン"が、登録抹消にまで至ります。

しかしこの場所。ウィーンの姿勢を"援護"するかのように、登録抹消後、観光客がむしろ増加します。

どうやら、地元の住民にとって大切なのは、"肩書き"ではなく古さと新しさが共存する"この街での生活"。のようです。

すると。。いったい世界遺産とは何なのでしょう?

すでにウィーンは、"歴史地区"と"その周辺"の高層化を可能にする新たな"条例"の整備も終えていて。。ここまでくると、ユネスコが登録を"死守"したく、ウィーンが登録を"抹消"してくれ!と言っているようにも見えてきます。

むしろ、世界遺産への関心が高い日本の状況が、例外的のようです。危機遺産リストが作成され、近年世界各地で、抹消も辞さないといった事態が次々に起こり始めているのはどうしてなのか?

その理由のひとつに世界遺産の"理想"と実際の街の"現実"が、想像以上に、かけ離れていることがあるようです。

価値ある対象を人類で保護するのが世界遺産の目的です。しかし多くの場合、登録申請する側は、

  • 知名度の向上。
  • 観光客の増加。

など"実利的"なベネフィットを求めています。

このため、ウィーンや富岡市に限らず、ユネスコの定める保護基準が、本来の目的を失い、地域の発展を妨げる"高い壁"になってしまっています。

保護という"理想"と日常という"現実"に、どうやって折り合いを付けるのか?

本格的な課題解決を実施する時期なのかもしれません。。

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