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表現主義の教会

コペンハーゲンのバウスベアー教会から南東に約10Km。

この郊外の住宅街に、ガウディと同時期に生きた建築家イェンセン・クリントが、建築コンペ(1913年)で勝利して建てられた、グルントヴィークス教会(1926年)があります。

この教会は、表現主義の代表のひとつとされていますが、表現主義の建築物自体は、その独特なデザインから、実現されることが少なかった中で、珍しく実際に建てられた建築物です。

正面ファザードはパイプオルガンのような独特なカタチをしているため街で最も知られている教会のひとつです。

建築時期

1900年前後のこの頃は、世界的に激動の時代であったためコンペから約8年後の第一次世界大戦後にようやく着工します。

ここから内装工事まで含めると、約10年間ほど工事は続けられ、クリントが亡くなった後半は、息子のコーオが引き継ぐことでようやく完成することができました。

都市空間との融合

建設計画に向けて、クリントは多くのデンマークの教会を研究し、ゴシック建築の垂直性と煉瓦表現主義の現代幾何学様式を組み合わせています。

西側の墓地を兼ねる公園内から見ると、両側に並木が続く約500mもの小道の先に、中央の尖った煉瓦のフアサードが見えますが、このような建築と都市空間の連動は、日本ではあまり見かけません。

さらに、感情や内面の世界を表現しようとする表現主義の巨大な教会ですが、実は側面から見ると、看板建築的な方法で大きく見せていることが分かります。

つまり、外壁のみが上に伸びているということです。

そして面白いのは、教会のまわりを同じ造りの建築群が囲んでいることです。

これらの建築群には、集合住宅、飲食店、劇場などの施設が入り、前述の公園を抜けた教会正面に向かうアプローチでは、その建築群がシンメトリーに整然と並んでいます。

このように、対照的に置かれた隣接する建物はバロック建築に似た中軸線の景色を創り上げ、景色の迫力を高めているのです。

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