いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
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初代の専任建築家
1883年にサグラダ・ファミリアの専任建築家に推薦されたガウディですが、この時、宗教的な関心や知識は持ち合わせす、大きな建築を設計するような実務経験もありませんでした。
しかも参加する時には、すでに工事は第三者によって着工されていたのでした。
サグラダ・ファミアの専任建築家は、アントニ・ガウディ(1852-1926年)として広く知られていますが、実は2代目だったのです。
初代の専任者は、フランシスコ・ビリャール (1828-1901年)という建築家です。
背景
1880年頃、サグラダ・ファミリアというアイデアが生まれます。
この頃、1800年前後に起こった産業革命の影響もあり、繊維産業と貿易で栄えたバルセロナは、社会的・経済的・文化的などあらゆる側面で、発展を遂げ、活気があふれる時代でした。
一方、科学の発展は、それまで教育や福祉、精神的な支えなど、日常の重要な役割をになっていた教会の立場を、揺るがすことになっていきます。
このキリスト教の衰退を見かね、地元の書店員であった慈善家のボカベラは、「新しい教会を建設し、市民の崇高な精神を取り戻しましょう」と、民間のカトリック団体、サン・ホセ(聖ヨセフという意味)教会に、サグラダ・ファミリア建設を持ちかけます。
こうして、最初に無償で設計を引き受けたのが、初代専任建築家のフランシスコ・ビリャールだったのです。
最初の計画
ビリャール設計のサグラダ・ファミリアは、現在、広く知られているそれとは全く異なり、ヨーロッパでよく見かけるような教会でした。
実はこの教会、全世界から信者が集まるほど、有名な巡礼地だったロレート(イタリア)という街にあるカトリック教会を真似したものだったのです。
建築様式は、中世のゴシックを模倣し、当時流行っていたネオゴシックで、ビリャールの計画は、この中世の様式である大聖堂から影響を受けていました。
特徴
- キリスト教シンボル(ラテン十字)の平面
- 3つの身廊(礼拝を行う場所)
- クリプト(地下聖堂)
- 7つの礼拝堂とアプス(祭壇)
そして柱廊の上には、人が「神に近づこうとする意思」の象徴である高さが85mの尖塔があり、この時代のヨーロッパの教会の多くは、同じようなスタイルで建てられていました。
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