いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
お知らせをさせてください。モデリング😊に「4つのコース」を設置しました。度々ご質問がありました金額も簡潔に分かるように整理しましたので、ご興味ある方は、下記URLから入ってみて下さい。
日本庭園
優れた日本文化のひとつに日本庭園があります。
海外からの旅行者を対象としたホテルで、とリわけ日本庭園が求められる理由がここにあります。
一方で、その定義とは。
平安時代に書かれた日本最古の庭園書の「作庭記」に記述されている、乞わんに従う。
つまり、自然の求めに応じて庭をつくる、くらいだと考えられます。
石を山に見立て、砂を流して川を模す、地形を生かして滝をつくり、庭木の向こうの林や山並みを借景とする。
といった感じです。
池を中心とした庭づくり
もうひとつ、池を中心に配置した庭造りも日本庭園の特徴です。
平安時代から中世にかけての建築様式である寝殿造りでは、池泉舟遊式として、雅楽隊を引き連れて舟遊び。
江戸時代に各藩の大名が築造した大名庭園では、池泉回遊式として、名所を模した庭めぐリ。
といったように、娯楽や遊びの要素も重要です。
禅の庭
また、禅の庭園の抽象性・象徴性のような高度な特徴もあります。
禅の思想を反映されたとされる白砂と石を使っての枯山水の庭。
そのミニマル空間は、モダンデサインとの相性は良いのだと考えられますが、本物造りのためには、技術だけでなく精神の修練も必要で、相当な覚悟もって作庭に臨まないと完成させることはできません。
また、維持管理の重要性があります。
これをおろそかにすれば、立ちどころに似て非なる、日本庭園もどきになってしまいます。
台湾の日本庭園
樂埔町(ラプティン)は、台湾台北市に残されている日本統治時代(1895年から終戦まで)の官僚住宅を文化商業複合施設としてリニューアルした再生庭園です。
2013年に、台北市が行った歴史的建造物の再生事業をきっかけとして、約100年前の施設の再生が数多く行なわれました。
計画地のある台北市は亜熱帯地域で、日本の気候風土、植生など、環境が全く異なリます。
当時、亜熱帯気候の環境下での繊細な伝統的日本庭園の再生に取り組むためには、緻密で美しい仕上がりの日本の作庭技術が不可欠だと考えられました。
このため日本庭園を専門とする技術者に協力してもらい、設計・施工が一体となって、現地で技術指導を行い、高品質の庭空間の創出を実現しています。
さらに、環境の異なる地域での維持管理についても、現地の風土に合わせた管理技術指導を実施しています。
この台湾と日本との協働による試みは、日本の庭園文化と作庭技術を一体的に世界へ発信していくことの可能性を予感させるものです。
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