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印象的な場所

アテネのアクロポリスの丘は、紀元前5世紀後半頃までに、古代ギリシャの城塞として位置づけられたのですが、一方で街のあらゆる場所から高くそびえる丘の上の神殿が望めます。

つまり、軍事的な要塞であるのと同時に、神殿などの宗教的な施設も集まっている場所ということです。

現代でも風景の中に、高い建築物があると目立つのだから、当時はより印象的だったのではないかと想像できます。

ちなみに、第1回の近代オリンピックの競技場として知られるパナシナイコ・スタジアムからも、約2Kmほど遠くにパルテノン神殿が望めるようです。

特別な場所

そもそもアクロポリスとは、「高い丘の上の都市」という意味ですが、人工物ではなく自然の地形でできた巨大な丘は、平地からの高さが約150mもあり、ここが特別な場所とされたのは当然だと考えられます。

もちろん、要塞としての機能も与えられていましたが、丘の上にはレクティオン神殿・ニケ神殿など、複数の神殿が建てられ、中世以降も各神殿が、キリスト教やイスラム教の聖堂に転用されたりしていることからも、ここが特別な場所であるとみなされていることが分かります。

各神殿の配置関係

アクロポリスの神殿群は、完全な幾何学で造られている訳ではなく、人の感覚までも数値化されていて、ル・コルビジェのデザイン指標でもありました。

その配置が面白く、古典主義の元祖なのたから整然としていると考えがちですが、実際は、まったく違っています。

これは、丘の上の目に見えないほどの凸凹が複雑に影響し、時間をかけて神殿が形成されていったプロセスも要因になっていると考えられています。

また、ギリシア人建築家のコンスタンティノス・ドクシアデスなどによると、入口からの視線の角度によって配置されているという仮説も唱えられています。

いずれにしても、各神殿の配置関係は、直交座標でも左右対称でもありません。

現在の建築物

2004年のアテネ・オリンヒックの会場は、スペインの建築家であるサンティアゴ・カラトラバが既存施設に手を加えながら再編したものです。

建物自体は、吊り構造の屋根をスタジアムに増築したデザインなのですが、全体の配置計画は、やはりまっすぐな軸線によるものにはなっていません。

空間はアーチの連続により、大きな弧を描くプロムナードが印象的で、この両端にスタジアムや競技場が配置されています。

この真っ白な建築群に、歴史的なモチーフは一切使用されてはいないのですが、配置方法は意識したのかもしれません。

カラトラバが手掛けた大きなアーチ空間は、オブジェ的である一方で、遠くの山の風景とも呼応しているようでもあります。

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