いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
現在、完成形を視覚化することで、そこにたどり着くためのより良い道筋が見えてくるのではないかと考え、モノづくりを「3Dモデリングから始める」試みを行っております。ご興味ある方は下記リンクよりご覧になってみてください。
廃止と存続の選択
何らかの理由によりコミュニティガーデンが存続の危機に直面したとき、廃止と存続の選択があります。
ただ、全ての場合で過程や規模などが異なるため単純に比較することはできません。
例1.意思決定の主体と実際の管理者。
石巻市のローズガーデンは、意思決定の主体が利用者でもあり、管理も行なっています。
これに対し、千葉県北東部に位置するガーデンは、大学生が管理を行い、意思決定を自治会が行なっていました。
このため活動低調期になると雑草の繁茂が激しくなり、高齢者の多い意思決定主体である自治会で、自ら管理するのが難しい状況になっていました。
例2.活動の目的と目的の明確さ。
ローズガーデンは、震災で亡くなった方を弔うために、花を植える活動から始まったコミュニティガーデンです。
このため勉強会などを通して自らその役割を明確にすることに取り組み、場所を移動してでも存続されることとなりました。
一方、千葉県のガーデンは、大学と地域との親睦が主な目的でしたが、そもそも自治会活動のほとんどが、親睦を目的としているため、役割が重複していたと推測されます。
例3.街の中の位置づけ。
千葉県のガーデンは空き地を利用した、一般的なコミュニティガーデンで、街の中での位置付けなどはありません。
これに対しローズガーデンは、低平地に位置していたため復興計画の対象外になっていましたが、地域住民が街全体の将来計画を行い、しっかりとした存在意義を示すことで、街の中での位置づけが明確になっています。
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