いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

場所づくりを3Dによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。

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風景の一部になる日常

2018年頃から神戸西神「かりば地区」では、新しい世代にも受け入れてもらえるように、街の新陳代謝を考慮したガイドブックの作成を目指すこととなりました。

まずは、地域に開かれた外構による魅力的な場所づくりを目指します。

具体的には、従来のように塀などで敷地の境界を区切るのではなく、様々な場面で生まれる生活の様相とその舞台の設置を目標とします。

この時、最初は既存の事例集を参考にしていたのですが、よくよく検討してみると前例のない試みであったため実際の日常活動に見合う場所を住民自らが提供し、参加することで実現することを目指したのでした。

ストーリー

実現するためには、住民の理解と参加意識が最も大切です。

例えばのストーリーですが。

  • 休日の黄昏時、自宅の玄関脇にテープルと椅子をだしてワインを開け、まもなく隣家からも参加する隠れ居場所。
  • 街でシェアする車の納品時、そこに集まる家族同士が、植え込みに腰掛け、談笑が始まる。
  • 休日昼下がり、自宅ガレージの片隅に趣味の工作に没頭中、通リがかった近所の子どもたちが覗き込みます。
  • 以前は玄関と道路との間に階段があり、車いすでの移動が大変だったが、パリアフリーとすることで、スムーズにケアセンターの送迎車への乗ることができるようになった。
  • 庭木の手入れをついつい放置しがちなので、地区のお困リサポート事業に依頼して、庭木の手入れの支援をお願い。
  • 近所の高齢者が散歩の途中で集まって談笑中、そこに小学生が通りがかリ、あいさつをする。防犯や見守りもかねます。

住宅地景観から参加型景観

このような取り組みは、、景観問題はそれ自体単体の問題ではなく、背後にある生活環境と一体であることを理解させてくれます。

同時に、歴史的保全地区の景観にも過去の経緯からくる必然的な理由があり、そこに配慮が必要になってくることも示しています。

ガイドブックで目指すものは、従来のような抽象的な景観維持でなく、この街独自の生活やコミュニティを反映させたもので、そこに参加することで完成する風景です。

つまり、参加型景観であり、この風景の積み重ねが、新しい住宅地の景観をつくることを目指しているのです。

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