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路地
寺や墓を市街の外縁に配置して、敵襲に備えた街を寺町といいます。
日暮里駅近くの谷中は、街道沿いに江戸時代からの寺が多く、住宅やお店、工房などが並ぶ路地の街です。
震災や戦争での被害が少なかったこともあり、大きな区画整理が行われず、江戸明治大正からの街割り・道筋がそのまま引き継がれています。
ここに戦前と戦後から平成・令和まで、新旧の建物 が混ざり合って調和しています。
それは、カタチだけではなく、地域のまつりごとを大切にし、子どもやお年寄りを見守る暮らしの文化が生き続けている調和でもあります。
代々住み続けてきた人たち、新しく住む人たちにも、近所づきあいや地域イベントを大事にする人たちがいて、戦後に建てられた家をリノベーションし、路地や井戸まで再生する例もあります。
新築の家にも、庭先に縁空間を設置し、地域との対話が取りやすい造りにする例もあります。
木密地域の課題
地域の丘は、江戸城下町の北東を守る寺町です。
今でも70ほどの寺が並ぶこの門前町にも路地ができ、町家や長屋が建てられてきました。
また、元川筋と呼ばれている平地の地域は、元々は田畑で、明治半ばから住宅地となって、あぜ道の跡が路地となった場所です。
路地は住人の日常の接点として関係を育み、助けあえる関係を育んできました。
つまりこの地域は、寺町という背景に、家と路地が重なり、地域コミュニティ全体が、歴史的な文化資産となっているということです。
一方で、木造住宅が多く路地の多い街は、地震による倒壊や火災による延焼の被害が想定され、都市計画や建築行政上、防災性向上のための整備促進が図られてもいます。
一部の地域では、2002 年より密集住宅市街地整備促進事業(密集事業)が行われており、不燃領域率(市街地がどれほど燃えにくいかを示す指標)の70%達成を目標に、路地や防災道路、特定の道路を拡幅整備したり、老朽した木造住宅の建替促進によって、不燃化や防災広場の整備が行われています。
ちなみに不燃領域率は、道路や公園などの空地と耐火建築物などの燃えにくい建物が占める割合で算出していきます。
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