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BIM活用段階
現実のモノやヒトをデジタル空間に、忠実に再現することをデジタルツイン技術といいます。
現在、英国の公共事業では、このデジタルツインによって設計から完成後の運用まで含めたライフサイクルを管理する段階に入り、メンテナンスの効率を向上させる取り組みが始まっています。
民間建物でもBIMを使用した維持管理が国から求められ、業界全体にBIMの活用が広がりつつあります。
この状況に伴いライフサイクルの管理をひとつのプラットフォームで行う取り組みも始まり、異なるソフト間でも円滑なデータ交換を行うIFC(国際仕様)も本格化してきているそうです。
英国の設計ワークフロー
英国建築家協会では、ステージ0~7までの8段階で、建物の設計から運用までの流れ(ワークフロー)を定義しています。
一般的なプロジェクトの場合、最初のステージ0で目的を明確にする「定義」から始まり、ステージ4の「実施設計」まで、設計者とクライアントとの関係で業務を進めます。
初期段階で、クライアントからの要件を受け取り、BIMの実行計画を作成するのですが、必要に応じ要件の精査などもが行われます。
この時、入力内容に合わせて報酬額が決められ、途中で追加・変更になった場合は、もちろん再調整が行われます。
一方、クライアント側も建物完成から運用までを見越して理解する必要があるため、BIMマネージャーをクライアント側として採用する場合もあります。
次のステージ5~6で施工からクライアントへの「引継ぎ」、最終ステージ7の「施設の維持管理」も基本的に設計者がモデリングや情報整理を行うのですが、場合により施工者が行うこともあるそうです。
BIMの情報は、プロジェクトに関わる全ての人に共有されるため、「誰が・何を・どの段階で」入力するかが事前に明確になっているワークフローは、BIM推進の要になっているようです。
標準化
英国では、BIMデータの標準(規格)化への取り組みも行われ、既に、BIMモデルが建築物のデータベースとして扱われています。
このデータベースを活用することが標準化につながるため、標準化と仕様書の二つの組み合わせが根付く英国にとって、BIMとの相性はとても良いようです。
具体的には、BIMの中でひとつひとつの部位に、その仕様内容が組み込まれ、深い部分までBIMモデルから追っていくことができます。
また運用後の維持管理についても、設計者が入力した仕様に基づき、BIMマネージャーが建物管理をしているのです。
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