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静けさが生まれる場所
クラウストロという言葉を聞いたことはありますか?
クラウストロとは、中世ヨーロッパの修道院にある回廊付きの中庭のことです。
語源はラテン語で、「囲われた、独立した場所」という意味があります。
その名のとおり、クラウストロは外の世界から切り離された、祈りと静かな暮らしの中心となる場所でした。
修道院には、この中庭に面したクラウストロを囲むように、教会の礼拝堂、食堂、図書館、教室、会議室、食料倉庫など、修道士たちの生活に欠かせない場所が配置されています。
中庭には泉が湧き、水場として使われ、生活と祈りが、自然と結びついたつくりになっていました。
光と影がつくる美しい空間
回廊には連続したアーチ窓があり、そこからやわらかな光が差し込みます。
スペイン・カタルーニャ地方特有の強い日差しと深い影。
そのコントラストが、カトリック系修道会のひとつであったシトー派によるロマネスク修道院の静かで美しい建築空間を生み出しました。
修道院が生まれた時代背景
4世紀にはいると東ローマ帝国では、キリスト教が国の宗教となりました。
このため縦横の長さが同じギリシャ十字の平面とドーム屋根を持つビザンティン様式の教会は、ヨーロッパ各地に広がっていきます。
一方、5世紀には、西ローマ帝国が滅び、ローマの神殿の円柱などを再利用したキリスト教会が造られるようになりました。
8世紀になると、イスラムを信仰するアラブ勢力が、アフリカからイベリア半島へ進出し、ピレネー山脈を越えてフランスにまで及びます。
こうしてキリスト教とイスラム教の対立が始まり、聖地エルサレムを目指す十字軍が派遣されることとなったのでした。
この争いは13世紀まで続くのですが、その拠点となったのが、テンプル騎士団と高い城壁に囲まれたシトー派のロマネスク修道院だったのです。
ポブレー修道院とガウディ
フランスとの国境にあるスペインのカタルーニャ地方で、アラブ勢力を退けたベレンゲール4世は、ローマ教皇の許可を得て、タラゴナ近くに修道院を建てました。
それがポブレー王立修道院です。
19世紀中ごろ、この修道院は一度廃墟となりますが、幼い頃のガウディが、友人たちと改修を考えたスケッチが今も残されています。
現在では、この修道院はユネスコ世界文化遺産に登録されています。
ひとつの時代の終わりと、新しい時代へ
1400年代後半、南スペインにアルハンブラ宮殿が開城され、800年以上続いたレコンキスタは終わりを迎え、同じ年、コロンブスが新大陸を発見し、スペインは大航海時代へと進んでいきます。
静かな回廊で育まれた祈りと建築は、やがて世界へと広がる、新しい時代の礎となったのでした。
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