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日本橋の和風アール・デコ

古典主義の建築は、オリンピックと同じく、ギリシアを起源として世界に広がり、いまでも影響力をもっています。

古代ギリシャの文化はその後、ヨーロッパ、アフリカ、アジアへと広大なエリアに広がったローマ帝国に受け継がれ、多くの遺跡を残こすこととなります。

その後しばらく、なりを潜めていたのですが、約千年後のルネサンス期に復興し、20世紀入るとポストモダンの時代にも改めて注目されます。

その証拠に有名なところで、ギリシャ・ローマの古典主義様式を引用した、つくばセンタービル(磯崎新)があります。

また日本では、古典主義を感じられる地域の代表として、日本橋があげられます。

日本橋には、東京駅を手がけた辰野金吾による日本銀行(1896年)本店、三井本館 (1929年)等の古典様式を取り入れた建築が現存しています。

このような様式建築は、三越や高島屋など、百貨店の意匠に影響を与え、21世紀に入ってからもコレド室町(複合商業施設)にみられるような再開発で、列柱の感覚が継承されています。

ちなみにコレドとは「core(核)」と「edo(江戸)」を組み合わせた造語で、江戸時代に商業の中心だった日本橋を現代に伝える役割を意味しています。

高島屋 1933年

日本橋高島屋は、純粋な古典主義様式の建築ではなく、また竣工時期に全盛期だったモダニズム建築でもありません。

むしろ、和風版のアール・デコ様式のように見えます。

当時、意欲的な消費を促す役割を担っていた百貨店の意匠は、華やかさとモダンの両方が求められました。

このためモダニズムと違い、装飾を完全には否定しなかったアール・デコは、百貨店と相性が良かったのだと考えられます。

実際、日本のアール・デコは、東京都庭園美術館、新宿の伊勢丹(共に1933年)など、百貨店に多く見られます。

そもそもアール・デコとは、ニューヨークのクライスラービル、20世紀を代表するグラフィックデザイナーのカッサンドルのポスターなど、建築、家具、グラフィックなど多岐の分野を横断します。

背景としては、第一次世界大戦の影響で人々の意識が、アールヌーボー様式の植物をモチーフとした美から幾何学的で合理的な美へと変化したもので、1920年代後半から1930年代と短い期間で広く知られるようになりました。

また「アール・デコ」という呼び方は、1925年のパリ万博の正式名称「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」に含まれる「装飾芸術」が由来とされています。

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