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コロナパンデミック
2020年1月に中国政府は、新型コロナウィルスの発生源とされた武漢を封鎖し、武漢内から外への移動を実質的に制限しました。
その2カ月後、ウガンダの大統領は、中国政府の体制やヨーロッパの様子を伺いながらロックダウンすることを発表します。
首都カンパラは、1940年代に田園都市構想に基づいて街づくりを行っていたのですが、近年まで、計画の見直しなどはされず有機的に発展し続けてきた街です。
その結果、街の中心部に多くのスラムが生まれ、インフラも必要性に応じてその場しのぎで発展してきたため、ロックダウンの効果にも影響が生じます。
この発展には、カオスと秩序が混在する様子が伺えます。
人への影響
発表されたウィルス拡散防止の内容のうち、特に2つがカンパラでの都市生活に大きな影響を与えています。
ひとつ目が定期的な手洗で、建物や人の集まる場所に関わる前に、手を洗ったり消毒したりできるスペースを提供する必要ありました。
解決策はいくつかあったのですが、最も使われたのは、鉄のフレームにプラスチック製のタンクを取り付けた手洗い器を建物などの正面に設置することでした。
タンクの下には、手洗いした後の汚水が溜まるようにバケツが置いてあるのですが、ほとんどの場合、そのまま道路脇や排水溝に流されました。
ふたつ目はソーシャルディスタンスなのですが、富裕層の住む地域では、家はフェンスで囲まれていて、隣人と接触することなく屋外にでることができ、問題がありません。
一方、スラム地区では、トイレも共有するワンルーム住居が多く、小さなスペースに多世帯が密集して生活し、屋外にもプライベートな空間などはありません。
このため限られたスペースで生活する人たちは、より窮屈になり、それが暴力の増加にもつながったのです。
このような状態であるにもかかわらず、ウガンダ国内の感染状況は、それほどひどくはならず、その結果、様々な規制緩和にもつながったのでした。
日本から見た時、治安が不安定なの国に住む人たちは、政府の方針になんとなく従い、偶然なのか元々の免疫力なのか、どちらに向かうのか誰も分からないカオスと秩序が混在する中で生活しているのです。
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